---.prologue

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《異能》を簡単に説明するならば、所謂(超能力)だ。 異能とは言うものの、彼等はそのような仰々しい名では呼ばない。 なぜなら、この異能は全ての人間に、当たり前のように備わっているいわば《機能》のようなものだからだ。 暑ければ体の温度を調整するために汗を出す、発汗作用と変わらない。 だがこの異能の機能は発汗作用のように、全ての人が同じものという訳ではない。 Aさんは火を操る。 Bさんは心を読む。 Cさんは空を飛ぶ。 というのはほんの一例に過ぎない。 なぜなら一億の人がいれば一億の、十億いれば十億の能力があるからだ。 まったく同じ人が二人いないのと同じように、まったく同じ能力は存在しない。 それがこの地球における人間の《当たり前》の姿だった。
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