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「ふぁ~~……ふぅ…。」
久しぶりに心地よい起床ができた。
先日の疲れが程よく抜けきり、レンはベッドの上で一度伸びをする。
時間を確認し、顔を洗い、朝食を簡単に摂り、制服に着替え始める。
「ソルヴィ…?」
…
相変わらず、あの寝坊助姫は全然こちらに呼びかけに応答せず…
今度精神世界に呼び出されたときには、説教が必要だな。
鼻歌を歌いながらネクタイを締め、身だしなみを軽く整える。
そのまま、登校する準備を進めるレン。
ピンポーン…
そこで、先日のように来訪を知らせるインターホン。
(皿を返しに来たのか…?)
フェルトが皿を返しに来たのだな…と思ったレンは、あくびを噛み締めながらドアを開けた。
「なぁレン。ネクタイの締め方おしえt――」
バンッ!
「…」
無言でドアを力強く閉めるレン。
そのまま、目頭を揉む。
おかしいな…
俺はいつ動物園の飼育係になったんだ?
青い体毛の狐が人間の姿をしていた。
「お、おい!?そない邪険にせんでもエエやろ!ネクタイの結び方ぐらい教えてくれたってバチ当たらんで!!」
ガンガンとドアを叩き始めたディオに頭が痛くなり始めるレン。
昨日といい今日といい、コイツはドアを挟んだ攻防がお気に入りなのか?
また誰かに怒鳴られる前に、レンはディオを渋々なかに入れた。
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