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「…」
一応試着はしてみた。
ミラスの言っていた通り、少し大きめで作られている。
スクールブレザーで、上着の方は腰のあたりが少し引き締まっていた。
上着は紺色でズボンは灰色。
シャツは白でネクタイは赤と、まぁ手堅いデザイン。
腰のアタリが引き締まっているため、前のボタンを外して着てみると何処か変な感じに。
これは風紀的な目的があるんだろうか…
(男子の制服はこんなもんか)
まぁ、奇抜すぎたら着る気も失せるが…
そのまま時間を確認してみると、ちょうど午後五時になる所だった。
今日やったことといえば部屋の掃除と読書、勉強。
(母さんたちが聴いたら冗談だろって笑うだろうな)
地球にいた頃の生活に比べたら、今の方が幾分かタメにはなっていそうだ。
レンは制服を脱いで、風呂の掃除、夜食の準備に取り掛かった。。
「クソ…。難しいとは聞いてたが、なんでテレビで見たやつみたいにならないんだ。」
午後七時。
風呂に入りさっぱりした所で料理開始。
一応完成はしたが、見た目はコレジャナイ感がものすごい。
『ふむふむ。これではまるで卵を乗せただけのご飯じゃな』
「ッ!?」ビクッ
サッ…サッ!!
突然聞こえた声に、レンは肩を震わせて左右を見る。
『あぁ済まん済まん。突然過ぎてびっくりしたかの?』
「そ、その声、ソルヴィか?」
『うむ。以後、精神世界で会う必要がない限り、この様な感じでお主とはコンタクトを取ることになる。…あと、別に声に出さんでも頭で思っただけで儂と会話は可能じゃからな』
「お、おぅ。」
『それより、素人にしてはなかなかの出来だとは思うがのぉ。そこまで己の実力を悲観するほどでもあるまい』
「母さんの作ってたオムライスはちゃんと形にはなってたんだがな…。」
レンは出来栄えに内心溜息を吐きながら、オムライスをテーブルへ。
準備も済ませ咀嚼しつつ、ソルヴィと会話を始めた。
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