新しい生活

55/57
17273人が本棚に入れています
本棚に追加
/856ページ
「…」 一応試着はしてみた。 ミラスの言っていた通り、少し大きめで作られている。 スクールブレザーで、上着の方は腰のあたりが少し引き締まっていた。 上着は紺色でズボンは灰色。 シャツは白でネクタイは赤と、まぁ手堅いデザイン。 腰のアタリが引き締まっているため、前のボタンを外して着てみると何処か変な感じに。 これは風紀的な目的があるんだろうか… (男子の制服はこんなもんか) まぁ、奇抜すぎたら着る気も失せるが… そのまま時間を確認してみると、ちょうど午後五時になる所だった。 今日やったことといえば部屋の掃除と読書、勉強。 (母さんたちが聴いたら冗談だろって笑うだろうな) 地球にいた頃の生活に比べたら、今の方が幾分かタメにはなっていそうだ。 レンは制服を脱いで、風呂の掃除、夜食の準備に取り掛かった。。 「クソ…。難しいとは聞いてたが、なんでテレビで見たやつみたいにならないんだ。」 午後七時。 風呂に入りさっぱりした所で料理開始。 一応完成はしたが、見た目はコレジャナイ感がものすごい。 『ふむふむ。これではまるで卵を乗せただけのご飯じゃな』 「ッ!?」ビクッ サッ…サッ!! 突然聞こえた声に、レンは肩を震わせて左右を見る。 『あぁ済まん済まん。突然過ぎてびっくりしたかの?』 「そ、その声、ソルヴィか?」 『うむ。以後、精神世界で会う必要がない限り、この様な感じでお主とはコンタクトを取ることになる。…あと、別に声に出さんでも頭で思っただけで儂と会話は可能じゃからな』 「お、おぅ。」 『それより、素人にしてはなかなかの出来だとは思うがのぉ。そこまで己の実力を悲観するほどでもあるまい』 「母さんの作ってたオムライスはちゃんと形にはなってたんだがな…。」 レンは出来栄えに内心溜息を吐きながら、オムライスをテーブルへ。 準備も済ませ咀嚼しつつ、ソルヴィと会話を始めた。
/856ページ

最初のコメントを投稿しよう!