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十数分後。
テーブルの上にはキレイに食べ終えた皿があり、レンは座椅子に寄りかかりながらソルヴィと話していた。
「じゃあ、アイツ等に追われるようになったのは二・三年前からなのか?」
『うむ。あの時は確か…。辺境に住んでおったモンスターが今どうしておるのか気になって、わざわざ深い森の中に入って行ってたんじゃ』
「辺境に住んでるモンスター?」
『モンスターの中にも様々な奴がおっての。…中には争いを好まず、奥地で少数の群れをなして生きておるモンスターもおる。そ奴らは、どちらかと言うと動物みたいな感じじゃな』
「へぇ~…。と言うか、動物とモンスターの違いってそもそもなんだ?」
『そ、それを聞かれても返答に困るの。…まぁ大きく隔てるなら、体の中に魔導管が有るか否かの違いじゃ。無いものは動物、有るものはモンスター。それぐらいの認識しかされておらん』
「……それじゃあ、体に魔導管がある俺達もモンスターって事になるが…。」
『うぐぐ…。じゃ、じゃが儂らは知性が』
「モンスターにだって知性はあるだろ。群れをなすってことはその地域に生息してる他のモンスターを警戒してるってことだし…。」
『わ、儂に詳しいことを聞くでない。モンスターについての研究はされておるが、一般人には馴染み無い生体なんじゃ。そのせいか危険視もされておらず、研究も捗っておらん』
「なんか納得いかねぇな。」
『お主は難しく考えすぎなのだ』
頭の中で、ソルヴィのため息が反響する。
それが耳元で囁かれた様な錯覚に陥って、肩を震わせるレン。
「じゃあちょっと真面目な質問だ。…今回の件の大本、スティグマってのは何なんだ?」
『ふむ…。やはりそこから話すべきかの』
ソルヴィの呟きと、カップを置く音が頭の中に響く。
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