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「お願い!あと3分待って!」
4月1日。
朝から戦争だった。
「頭ボサボサ…」
「いーんじゃない?去年もこんな感じだったよ?」
クックと笑う深田は、私と同じ時間に起きたはずなのに、完璧に髪型をセットし、ストライプのスーツを着こなしている。
「…じゃなかった、隆二だった」
「は?」
「独り言」
ピッとワンボックスカーのテイルランプが点滅し、ロックが解除された。
助手席に乗り込みシートベルトを締めると、いつもより少しスピードを出してマンションの駐車場を抜ける。
いざ、出勤だ。
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