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「営業の新採どんな子だろうね?」
「それより俺は企画の鬼課長が気になる」
新しい社員の噂話をしていると、アッという間に社員駐車場に着いた。
「一緒に行く?」
「へ?」
「いつも別々だけど、たまには一緒に歩こうか?
桜も綺麗だし」
大好きな桜並木。
ハラハラと舞い落ちる花びらを、散ってしまった恋心と重ねていた去年の私はもう居ない。
あの時の私は暗いトンネルから抜け出す術が分からなかったけど、今こうして笑っている。
そう考えると、抜け出せない闇はないのだと思わずにはいられない。
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