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故郷≪ふるさと≫
１
海軍の戦艦に乗せられて、長い航海ののちに、俺達の部隊はヨコスカ港に着いた。
ここからは軍用車でザマキャンプまで移動する。
軍用車の荷台に詰め込まれ、揺れるとお尻が次第に痛くなる。
そうこうしているうちに軍用車はゲートを通過してキャンプに入った。
時間としては一時間くらいの距離だ。
日本は狭い。
車を降りると、故郷の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
ここは俺が育った国だ。
見た目の問題じゃない。
あれから行方知れずのじじいなんて知った事じゃないが、それでもここは俺の故郷だ。
思い出もいっぱいある。
思えばあそこでも俺は王様だった。
子分がいっぱいいた。
男も女も。
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