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一面の焼野原だった場所には自分の背丈ほどの雑草が生い茂っていて、その行く手を遮る。
それを掻き分けるようにして先に進むと、煤けた鐘のぶら下がった礼拝堂と、柱だけになった寄宿舎が見えた。
思えばここにいたんだよな。
まだ小さかったからどうやってここに連れてこられたのかまでは覚えてないけど。
感慨に耽っていると、背後から黒尽くめの男達が現れた。
こんな連中、見た事ない。
思わず俺は拳を構えた。
そんな男達がさっと左右に分かれると、その後ろから老紳士が現れ、こちらを見てにやっと笑った。
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