徴兵

4/7
前へ
/47ページ
次へ
「エドガー君だね?」 「親父の知人だと聞かされたんすけど」 「そう。僕は彼の直属の部下だった。名前はキットソン。ジョージ・キットソンだ。キットと呼んでくれ」 「親父ってどんな人だったんすか?」 「君の父上はそれはそれは立派な軍人さんだったよ。物凄く勇敢な男で、部下を庇ってひとりで敵陣に突っ込んで行くような人間。僕らが軍にいた頃はちょうどベトナム戦争の末期で、大変な時期だった」 「それって俺が生まれる前の話っすよね?」 「そうだ。彼が退役して間もなく結婚されたと聞いてね。僕は小さな頃の君にも一度会っているんだよ」 「そっすか……覚えてなくて」 「気にするな。まだほんのベビーだったんだから」
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加