水央署

10/10
前へ
/12ページ
次へ
藤田は案の定、萱場さんに日頃の態度やら、専門能力についてうんぬんやらをなじられはじめている。 まあ、藤田は能力的には優秀なんだがオールラウンダーで、専門属性持ってねぇからなぁー。 まあ、馬鹿だからほっておこう。 あ、萱場さんがまた顔色悪くなった。 俺は、この何時もの対処課の日常をよそに、眠い目を擦りながら、外を見て遠くをみながらごちる。 「あーどんなやつだか知らないが…明日になったら早く相方きてくれー…」 ―JR水戸駅 改札口― 通勤の時間も過ぎ、県庁所在地にしてはまばらに人がいる。 買い物している人間がそれなりにいる時間。 ひとりの女性が常磐線ホームから改札口を出てくる。 その姿と顔は不安げで、キョロキョロあたりを見回す。 そして、その右手には地図が書かれたメモを手にし。左には赤いキャリーバッグ。 「えっとー。ここを出て。北口…北口に行くと階段があって…。わかんない時は水戸黄門の銅像目印に…か………。」 女性はまたキョロキョロしながら、あたりを見回す。 「ああ、良かったなんか、東京みたいに人がごちゃごちゃ…いっぱいいなくて…」 さて、まず北口にむかって、女性独身寮にいかないと………。 「あ、ここ、おみやげに梅とか売ってる…みどりの窓口、こっちなんだ。電気やさんとか一応あるんだ…へぇ、あ、あそこのお店いいかんじ…映画館あるし。」 そうぶつぶつ良いながらその女性、 「ヘタレキャリア」 神魔官、市橋ゆずき 彼女は、 「南口」に向かって、歩いて独身寮を探しに向かって行った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加