1、『今日ぐらい会いたいかも』

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ピルルルルル…。 ポケットの中の携帯が鳴った。 ピルルルルル…。 わたしは顔を上げずに、ポケットから携帯を取り出した。 「………はい。」 もっそいかすれた声が出た。 ちょっと恥ずかしい。 『梅!』 電話から聞こえてくる声。 ま、まさかっ…! 「ひ、柊!?」 『よかったー!出てくれて!あれ?仕事中じゃないの?』 「や…今休憩中で…。」 『梅っ!なら外見てよ!めっちゃキレイだよ!クリスマスツリー!』 「え…?」 わたしは思わず顔を上げた。 あ…。 うわぁ…。 キレイとか一言で言い表せないよ。 その眩い温かい光が、わたしの心の中に染みてゆく。 こんなにすごいイルミネーション…観たことないよ。 ポロポロこぼれる。 涙が止まらない。 「キレイ…。」 『だろ!?すごいよな!こんなにすげぇツリー初めて見たよ! あ、梅…もしかして、会場に…いる?』 「うん…あはは、はしゃいで来ちゃった。」 『え?どこどこ!?俺も会場にいるんだけど!』 「は?あんた仕事でしょうが…。」 『あーっ!!梅めーっけ!』 「ちょ、人の話聞け…」 その時、温かいものがわたしを包み込んだ。 「梅。みぃつけた。」 「柊…!」 「びっくりした?」 柊がにっこり笑いながら、背後からわたしを優しく包み込んでいた。
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