1、『今日ぐらい会いたいかも』

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「うわ!てててて、てめぇ!何抱きついてんだ!バカ!」 「ひひ。あ、梅~顔真っ赤。」 意地悪っぽそうに笑う柊。 「てめ!梅って言うな!お婆さんみたいだろ!」 「え~?俺はかわいいと思うんだけどな。梅ったらまさか会場にいるなんて。」 そりゃこっちの台詞だっつの。 「俺はイルミネーションが見たくて後輩に仕事押しつけてきた!」 ダメじゃん。 まぁ、わたしも松に仕事を押しつけてきたようなもんだけど。 「なぁ、梅。」 「ん?」 「少し早いけど…クリスマス祝おうか!」 え?何言ってんだよコイツ。 「祝うって…今?」 「そ!だって俺らクリスマス仕事じゃん!せっかくキレイなツリーがあるし、雪も降ってきたし!」 雪? あ…寒いと思ったら。 フワフワと舞う雪がわたしの鼻に落ちた。 柊はそっとそれを取ってくれた。 「梅…。クリスマス、一緒に過ごせないけど…でも、祝いたい。 梅と。」 柊が真剣な目でこちらを見る。 バカ。 また涙が出そうだよ。 「一緒に…祝うか。 あんたとなら、年中クリスマス祝えそうだよ。」 「梅…!それって…OKってこと!? 梅~!大好……!」 「だから抱きつくんじゃねぇ! あ…なぁ、せっかくだからケーキ食べていけば? ツリーはあるし、雪は降ってるし。 やっぱクリスマスパーティーにはケーキでしょ?」 「食べる食べる!梅んとこのケーキ大好き!」 「よし、松に茶でもいれさせよう。」 「梅。」 「ん?」 あ…。 振り向けば、温かいものが唇に触れたような気がした。
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