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「うわ!てててて、てめぇ!何抱きついてんだ!バカ!」
「ひひ。あ、梅~顔真っ赤。」
意地悪っぽそうに笑う柊。
「てめ!梅って言うな!お婆さんみたいだろ!」
「え~?俺はかわいいと思うんだけどな。梅ったらまさか会場にいるなんて。」
そりゃこっちの台詞だっつの。
「俺はイルミネーションが見たくて後輩に仕事押しつけてきた!」
ダメじゃん。
まぁ、わたしも松に仕事を押しつけてきたようなもんだけど。
「なぁ、梅。」
「ん?」
「少し早いけど…クリスマス祝おうか!」
え?何言ってんだよコイツ。
「祝うって…今?」
「そ!だって俺らクリスマス仕事じゃん!せっかくキレイなツリーがあるし、雪も降ってきたし!」
雪?
あ…寒いと思ったら。
フワフワと舞う雪がわたしの鼻に落ちた。
柊はそっとそれを取ってくれた。
「梅…。クリスマス、一緒に過ごせないけど…でも、祝いたい。
梅と。」
柊が真剣な目でこちらを見る。
バカ。
また涙が出そうだよ。
「一緒に…祝うか。
あんたとなら、年中クリスマス祝えそうだよ。」
「梅…!それって…OKってこと!?
梅~!大好……!」
「だから抱きつくんじゃねぇ!
あ…なぁ、せっかくだからケーキ食べていけば?
ツリーはあるし、雪は降ってるし。
やっぱクリスマスパーティーにはケーキでしょ?」
「食べる食べる!梅んとこのケーキ大好き!」
「よし、松に茶でもいれさせよう。」
「梅。」
「ん?」
あ…。
振り向けば、温かいものが唇に触れたような気がした。
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