一章 魔王ゼロス

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同時にゼロスの歌も終わった。 すると、ステージの周りのバリアーは消え、ゼロスの後ろで演奏していた堕天使達も消え去った。 ゼロスは腕を組んだ。 ゼロス「ひゃ~っはっはっはっはっはっは!!!!さすがは一度だけこの俺様を倒した勇者どもだな」 ソルは顔を強ばらせ、ゼロスに向き直り、背中の大剣を抜刀し、ゼロスに剣先を向けた。 ソル「次はお前の番だ!ゼロス!」 ゼロス「いいだろう…」 ゼロスはニヤリと笑い、体に闇のオーラを纏い始めた。 それを見たミントは目を丸くした。 ミント「な…なんて魔力と力なの…?」 ミナツ「ツウジョウノマオウノ10000バイノ…チカラ…」 ミナツは無表情で呟いた。 ルミカ「な…なんですって!?」 ルミカは顔を青くした。 ゼロス「くくく…だから言っただろう。俺様は強さの域を越えてしまったと」 ゼロスは不気味に笑った。 ソル「ふっ、くだらねぇな」 ゼロス「何?」 ソル「俺達には信じ合える仲間達がいる。いくらお前が何億倍強くなったところで、俺達仲間の絆には勝てはしない!」 それを聞いたゼロスは、なぜか心の中がズキッとした。 ゼロスは鋭い目つきでソルを睨みつける。 ゼロス「ふんっ、何が絆だ。くだらねぇ。ならその絆共々きさまらの粉々にしてやる!!!」 ソル「来る!!」 ソル達はそれぞれの武器を構えた。 その時。 バンッ! 扉が勢いよく開いた。 真也「止めてくれ!!!!!みんな!!!!!」 扉からは真也が息を切らしながら現れた。 ソル達は目を丸くして扉に振り返った。 ソル「真也!?」 ゼロスは真也を睨みつけた。 ゼロス「なんだ貴様!!」 真也はすぐさまゼロスの前に駆け寄った。 そして。 真也はソル達に振り返り、両手を広げて立ちはだかった。 ソル「…真也?」 ソルは突然の出来事に戸惑い、首を傾げる。 真也「みんな!ゼロスさんはみんなを助ける為に頑張ってくれたんだ!!だから、ゼロスさんがソル達を倒す為に生き返らせたなんて…何かの間違いなんだよ!!」 ゼロス「はぁ?」 ゼロスは顔を歪めた。 すると、真也はゼロスに振り返った。 真也「ゼロスさん。何の事情があったのでしょう?是非その事情を僕達に聞かせて下さい。みんなが蘇ったお礼に僕達が解決策を考えますよ」 真也はゼロスにニッコリと笑いかけた。
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