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湖の縁で朱に染まった葉を拾いながら佇む春江に庄次郎は呟いた。
庄次郎は軍人である。
軍人は国を守るために戦うだけではない。
国を自分の理想に近づけるための政治的な駆け引きが、当たり前に行われる。
その駆け引きの中にクーデターなどの武力によるものもあった。
そんな政治闘争に庄次郎も巻き込まれていた。
そのことを庄次郎から聞かずとも春江は察していた。
心優しい庄次郎が、軍人として精一杯国を守ろうとしている。
庄次郎の瞳の奥に優しさと確固たる覚悟を垣間見た。
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