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才蔵は目を瞑り話を始めた。隼や上忍たちは、才蔵の話を静かに聞いた。
そのころ、里の見回りをしている雛は軍のヘリが通過するのを見ていると、小さい女の子が雛に近づいてきた。
「雛ちゃん…ここは、大丈夫?」
「大丈夫だよ。見つからないように、京ちゃんが魔法かけてるから」
そう言って、雛はニッコリ笑った。雛の笑顔を見て女の子もニッコリと笑って、走り去っていった。
「見張ってるってことか…」
隼たちの方は、才蔵の話が終わり、ある選択を迫られていた。
「要するに…軍に手を貸せば里の安全は保証され、断れば伊賀と同じように滅ぼすってことですか?」
隼は、内容を才蔵に聞き直した。周りの上忍たちは、下をうつむき黙っている。
「ハヤブサ…お前はどちらを選ぶ!?」
隼は黙っている。
すると、一人の若い男が立ち上がった。
「奴等を信用出来ません!!手を貸しても、一人づつ消されるかも知れませんよ!!」
「問題は、そこなんだ……手を貸しても安全とは限らない…」
その才蔵の言葉に、また皆黙っている。そのことは、皆わかっていた。
そんな中、隼は立ち上がった。
「俺が囮になります。その間に里の抜け道で皆は逃げて下さい」
一同は隼を見た。
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