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才蔵も立ち上がった。
「軍の追っ手は隼に任せて、わしらは抜け道で逃げるぞっ!!」
才蔵は隼を里一の忍だと、凄く買っている。自分の命が欲しい訳ではなく、里の長として里の皆を助けるために仕方のない答えであった。
「才蔵様…。自分のわがままを受け入れてもらい申し訳ありません…」
一同は黙っている。皆も最善の答えだとわかっていたからだ。
「ちょっと、いいですか?」
そんな中、一人の若い上忍が手をあげた。それは、隼と一番親しい霞疾風だった。
「俺も隼と共に残ります」
疾風は、才蔵や里の皆にも腕を買われており、里の皆は疾風が次期の長と思っているほどの忍であり、隼と里の1、2を争うほどである。
「疾風っ!!何を言ってるんだ!!お前は、彩香を連れていけっ!!残るのは、俺だけでいい」
隼は、疾風に近づいた。
その瞬間、才蔵が口を開いた。
「ならぬ…。残るのは、隼のみだ。疾風まで残ったら、逃げる途中に軍の奇襲にあったら皆を守りきれん…」
疾風は黙って座った。
「疾風…安心しろ。死にはせん。友のためにも…」
そう告げると、隼は長の家をでた。
こうして、里の会議は終わり結論を里の皆に伝えた。しかし、隼が里に残ることは混乱や反対者が出るのを防ぐために、皆には伏せた…。
そして、里の皆は逃げるため準備を始めた。
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