第二章 白の森

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 その後も、他愛のない雑談や、白の森の話、学校の話をショウとしながらディーンは歩み進む。    周りの木々は段々と色素を取り戻していき、気付くと目の前には普通の、緑の木々が鬱蒼と生い茂っていた。 「ふう……やっと白の森を抜けたな」 ディーンがため息をつきながら歩いていく。その後方にフランツ。更にその後方にはショウを含めた五人の町人がまばらについて歩いてくる。 「霧が晴れたー」 「やっと普通の森だ」 口々に言葉を発する町人。エルの安全も確保した所為か、全員安心感と疲弊感がでてきた。そして、途端に全員が絶対的な温度差を感じ、体に汗を滲ませていた。  上空、木々の隙間を見上げたディーンの視界に夕陽が見える。時間はまだ日が沈みきっていない事から五時前後であろう。八月の強い日差しも《白の森》では霧に阻まれてしまう。その為、《白の森》はかなり涼しく、それは日中に限らず、八月の夕暮れのそれより遥かに涼しかった。 「この暑さだとエル嬢が心配だ……はやく木陰に行こう」 葉巻の町人がそう言い、一同は木陰に入る。 「……若干だな。涼しいのは……」 今までほとんど喋る事の無かった強面の町人が力なく笑いながら言う。 「全然涼しくない……」 先程エドワードを心配した小太りの町人は失笑しながら言う。 「さあ、日の暮れないうちにジバラードへ帰ろう」 ディーンは山頂の方へと指をさし、フランツら町人を先導した。
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