第二章 白の森

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■ ■ エドワードは山頂へと向かって駆け上っていた。セシルから聖剣を受け取り、言う通りに父、ディーンの元を目指していた。 きっともう町に戻っている、と考えながらエドワードは来た道をひたすら走った。  来た時と違うのはリュックを背負っていない事(デトランド邸を出る時には既に持っていなかったので、恐らく忘れたのだろう)、エルを背負っていない事、そして聖剣ミストダイを右手に持っている事だ。  エドワードは走っている最中思う。  ほんの数時間前はエルを背中に背負ってこの道を下ってきていたのか、と。  何故セシルは僕の前に姿を現して、この聖剣を渡したのだろうか、と。  彼の言っていた決着とは一体何の事なのだろうか、と。  ここはマイケルの家がある所ら辺か? と。  そんなことを考えてた時、まるでタイミングを見計らった様に森の草葉から小柄な影が飛び出した。 「エドワード!?」 「マイケル!?」  小柄な影の正体はエドワードが口にした通り、マイケルだった。肩で息をしながら、額には汗を馴染ませており、草葉から飛び出したことを踏まえると、まるで彼は全速力で走っていた様にも見えた。だからエドワードは尋ねる。 「どうしたんだ? そんなに急いで」 「エドワード! なんでこんな所にいるんだ!?」 「は!?」 マイケルは唐突に意味のわからない事を言う。エドワードは思わず素っ頓狂な声を出してしまった。 「姉ちゃんが……、姉ちゃんが覚醒しているんだ!」
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