第二章 白の森

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 僕も死ぬのか、と。そんな考えがエドワードの脳裏を過ぎるが、右手に普段慣れない重みがあることを思い出し、渾身の力を込めて剣をシータへと斬り上げた。シータがエドワードに密着するようにしているため、自然と彼女の背面からの攻撃、強いては自分へと斬撃が来る可能性があったのだが、今のエドワードにそんな事を考えている余裕がなかった。このまま何もせずにシータの瞳を見続けていたら、否、見られ続けていたら確実に死ぬという確信があったからだ。  どうせ死ぬのであれば一太刀でも浴びせたい、と。  しかし。  かきん……と、まるで金属に弾かれたかの様に鈍い音がした。  勿論聖剣の刃はしっかりとシータに当たったし、シータがワンピースや頭巾の下に金属片を仕込んでいるわけでもない。  ただ、単純。  シータの体に当たって金属同士がぶつかった様な、当たった様な鈍い音がしたのだ。 自らの背中に当たるそれを横目で見るとシータは何事も無かったかのように聖剣の脇へ体をずらし。エドワードから離れていく。 「その剣……セシルの」  シータは呟く。 「そう……、セシルはお前を選んだのね」 「セシルは? どういう意味!?」 「セシルがあなたという人間を選んだように、もう一人の神も人間を選んだ、と言うことよ」  その言葉に対してエドワードが疑問を抱く余裕は無かった。シータがその言葉を言い終わるか終わらないかの時、あたりに爆発音が響き渡ったからだ。
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