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それは激しく地面を揺さぶった。
まるで火山が噴火したのかと思える様な爆発音と揺さぶり。
同時に、山の頂から光が照らされ、三人を包み込む。
山頂には天まで伸びる一筋の光の柱があった。その光は日が沈んで星や月の明かりだけで照らされている夜を朝のように明るくして天へと昇っていく。
「あれは……まさか、手遅れだったというの!?」
シータは光の柱を見上げながら何かを悟って叫ぶ。
この光景に感じるものがあったのか、ふと、思い出したかの様にマイケルはエドワードに尋ねる。
「エドワード、エルはどうした!?」
「エルは……父さん達に連れて行かれた」
マイケルは「そんな……」と、小さく言うとその場に崩れ落ちた。
マイケルも考えが繋がり、悟ったようだ。
「エル……?」
シータは自らに確認をする様に呟く。
「エルフェント、エル……。ふふふ……、これは何かの因縁かしら」
シータは呟くと山頂へと駆け出す。光の柱で照らされているとはいえ、森の中は木々がある程度光を遮っているのでシータの姿はすぐに見えなくなる。
エドワードは一人、事態がよく理解できずに消えかかっている光の柱を見上げていた。
「エドワード、早く山頂に向かったほうがいい」
「マイケル……その前に教えてくれ、一体何がどうなっている!?」
エドワードは答えを求めようと、膝を着いて真相を把握しているマイケルを問い質す。
「ああ……、俺の解っている事は全部話そう」
マイケルが口を開き、立ち上がった時、もう山頂の光の柱は消えていた。
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