第三章 始まりの夜、終わりの朝

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「俺の時は止まっている」  マイケルはエドワードの問いに答える。 「俺の実際の年齢は二十六だ。俺と姉ちゃんは同時に力を授かったから、力が分散されたんだと思う」 俺は神々と同じ様に歳をとらなくなった、姉ちゃんは神々と同じ能力が宿るようになった、とマイケルは言う。  その答えに聞き、エドワードに新しい疑問が出てきた。 「それって、つまり僕は……」 「歳もとらないし、神々の能力が宿っている」  マイケルは言い切る。  エドワードはセシルに選ばれた。  力を――聖剣を授けられた。  そう、エドワードはシータとマイケルのように力を分散されて授かっていない。  歳をとることはない、神々の能力が使える、つまり、それは正に神そのものではないか。そんな自分が置かれた処遇にエドワードの理解はついていけず、別の疑問をマイケルに投げ掛ける。
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