第三章 始まりの夜、終わりの朝

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「さっき、シータに剣が効かなかったのは……? それもオリウスの能力なのか?」 「いや、あれはセシルの剣だから斬れなかったんだ」  オリウスとセシルは仲が良いからね、とマイケルは続けて言う。  エドワードは回想し、思考する。  確かにセシルは聖剣をミストダイと、霧を殺す剣だと、エルフェントを滅ぼす剣だと言っていた。  それはつまり、エルフェント以外は斬れない、と言う意味なのだろうか。  エドワードは疑念を晴らす為に近くの枝に剣を振り下ろす。 枝は簡単に、至極簡単に斬れた。  と、いうことは、先程シータに刃が通らなかったのは、やはり恐らくオリウスとセシルの仲に関係しているのだろう、とエドワードは納得した。いつまでも立ち止まっている訳にもいかないのだが、立ち止まって思考しているエドワードに対して、 「そろそろ行こう、エドワード」  と、マイケルは言う。    そして、山頂を見上げながら、歯を食い縛りながらマイケルは続けて言った。 「さっきのあの光……エルフェントが復活してしまった」
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