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アレックス……アレックス・ロイズ。
ロイズ姓。
そしてその末裔。
仮に本当にアレックス・ロイズが自分の先祖だったとしても、今、ディーンは末裔ではない。
ディーンには息子がいる。
一人息子が。
エルフェントはディーンと目を合わせて、あの表情を浮かべる。
あの旧知の恋人に向けるような優しい微笑みを、嬉しそうな目を。
「……一体、誰を待っていると言うの?」
シータは解っていないようだった。
ディーンは悟っていた。しかし、その考えは外れていて欲しいと切に願うが……それは叶わない。
エルフェントはシータへ目線を戻し、先程と同じ、ニヒルな笑みをして言う。
「私が待っているのはね……あの子よ、エドワード。エドワード・ロイズ」
「エドワード……?」
名前を聞いてもシータは思い当たる節が無く、おうむ返しに尋ねる。
「ええ……そう」
エルは答える。
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