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羅希にも、船員達にも、特別焦りの色はない。
と言うのも、人が装備出来る程度のバズーカの威力で致命打どころか、傷をつける事自体が困難な装甲で覆われているのをわかっているから、である。
―が、しかし―
ばおっ
着弾する遥か上空で、弾は全て破裂した。
「!?」
この時初めて表情を変化させた羅希をしり目に、かしらはにやりと顔を歪めた。
ばさばさと、弾の中から出現したワイヤーネットが船体を覆いつくす。
―瞬間―
ババババッ
船は、凄まじい電撃に包まれた。
「これは!?莉菜ちゃん!状況を報告して!」
「あ、はいっ」
影響を受けていない船内で飛鳥が言うと、莉菜は一言答えてキーボードを操作する。
データパネルに船体データが映し出されると、莉菜は目を見開いた。
「強力なエネルギー障害!!艦内電力、30%まで低下!」
しまった―と、飛鳥は内心歯噛した。
これでは航行不能どころか火器すら使用出来ない。 侮っていた。まさかこれほどの装備を持っているとは!
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