優しさ

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「宍戸さんっ!!」 真っ先に駆けつけたのは長太郎だった。 「宍戸さんっ!大丈夫ですか?」 上半身を起こされる形になり、長太郎の手が俺の額に当てられた。 冷たくて…今の俺には気持ちよかった。 「熱あるじゃないですか!!部長、宍戸さんを保健室に連れて行ってきます」 跡部の返事も聞かず長太郎は俺を抱き上げる 「長…太郎…、下ろせ…自分で歩ける…」 「嫌です」 …即答された 仕方なく俺は長太郎に体を預けた… ーー目が覚めたら保健室のベッドで寝てた… 長太郎がここまで運んできてくれたのか…? 倒れたときよりはだいぶ楽になったがまだ頭が痛い… 「目、覚めました?」 声のしたほうを見るとそこには長太郎がいた。 「あ、長太郎…その、ありがとう」 「いえ…でも宍戸さん、無茶し過ぎですっ」 「え…?」 「保健の先生もいないし宍戸さんは寝ちゃってるし…勝手に熱測らしてもらいました」 「そーか…ごめんな」 「宍戸さんは謝らないでください、あ…もぅ一度熱測ってください、起きられますか?」 「あぁ」 長太郎から体温計を貰えば上半身を起こす… 数分してピピッと電子音がなる 長太郎が受け取り表示画面を見れば小さく笑みをこぼした。
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