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ドラゴン達の中でも、パフはかなり若いドラゴンだ。
青紫の鱗、鋭い爪、琥珀色の瞳。
パフは、それはそれは美しいドラゴンだった。
ある日。
パフが入り江を散歩していると、何かが地面に倒れていた。
「あれは……?」
紛れもない。
人間の少年だった。
「どうしたんだろう……」
ふっと、パフの脳裏に、ある約束が思い浮かぶ。
“決して、人間とは友達になってはいけない”
でも、お人好しなパフには、少年を見捨てることは出来なかった。
「君、君、大丈夫かい?」
パフは少年の傍らに降り立つと、そっと少年を抱き上げた。
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