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森の中にある、パフが暮らす小さな洞窟。
そこで少年が目を覚ました時、最初に見えたのは、綺麗な琥珀色をした、大きな目だった。
「あ、気がついた?」
青紫の鱗、大きな翼。
「ここ、僕が棲んでるんだ」
少年はゆっくりと起き上がる。
話しかけてきていた相手は、少年よりずっとずっと大きかった。
「……君、誰?」
少年が訊ねると、大きな相手はにっこり笑って答えた。
「僕はパフ。ドラゴンの、パフだよ。君の名前は?」
「僕は、ジャッキー」
「ジャッキー……」
パフはジャッキーに、何かを差し出した。
赤く熟れた、林檎の果実。
「ジャッキー、食べる?」
ジャッキーは何も答えず、林檎を嬉しそうに受け取った。
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