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「パフ、空も海も真っ青だ!」
パフの尻尾に座ったジャッキーが楽しそうに叫ぶ。
小さなボートを漕ぎながら、パフは頷いた。
青く青く、どこまでも広がる空と海。
その境目は果てしなく遠く、水平線の端は見えない。
「ねぇパフ、あれ、何かな」
景色と潮風を堪能していたジャッキーが、ふと一点を指差した。
その先にあるのは、船。
「海賊船……だね」
ぱちぱちと琥珀色の瞳を瞬き、パフは答える。
海賊船はどんどん近づいてきて、旗の絵や乗っている人間が見えるほどまで近づいた。
「パフ、どうするの?」
「どうしようか?」
ボートを漕ぐ手を止め、パフは海賊船に向かって手を振ってみた。
ジャッキーも手を振る。
「やぁ、これはこれは!」
海賊船の船長と思しい人物が、甲板に現れた。
「いや、これは驚いた! まさかドラゴンだったなんて!」
するするっと旗が下ろされる。
にこやかな笑顔で手を振ってくる海賊達に、パフとジャッキーも手を振った。
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