Pilatus:Mountain Of Dragons

7/11
前へ
/11ページ
次へ
そんな毎日が何日も何日も過ぎ、何年も経ったある日。 「パフ、僕は旅に出ようと思うんだ」 小さな少年から立派な青年へと成長したジャッキーは、パフにそう告げた。 「もっともっと遠い街を見てみたい。知らない場所に言って、いろんなものを見てみたいんだ」 青紫のドラゴンは、寂しげに微笑んだ。 「ジャッキー、そうしていろんなものを見たら、また戻ってきて、その話を僕に聞かせてくれるかい?」 「もちろんだよ、パフ。僕達、友達じゃないか!」 ベージュの帽子を被り、ジャッキーはパフを振り返る。 「僕はきっと、ここに戻ってくるよ。行ってきます、パフ」 「きっと帰ってきてね。行ってらっしゃい、ジャッキー」 ゆっくりと砂浜を歩いていく青年の後ろ姿を、パフは見えなくなるまで見送った。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加