Pilatus:Mountain Of Dragons

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パフと近い年頃の、ハイネという名前のドラゴンがいた。 パフとは対照的な真紅の鱗を持つドラゴンで、パフより一回りは大きく、また海のように青い目が凛々しい。 パフとは幼い頃によく遊んだ仲であったが、パフが独りで洞窟に棲むようになって以来、あまり会っていなかった。 今日が、十年振りの再会となる。 「まさかパフ、君が人間と仲良くやっていたとはね」 辛辣な言葉を紡ぐハイネに、パフは不愉快そうに翼をバサバサとはばたかせた。 「ハイネ、君に言われる筋合いはないよ。かつての君は、人間と友達になれる日を、ずっとずっと願っていたじゃないか」 「あの頃はまだ、俺もパフも子供だったんだよ。人間と友達になんて、どだい無理な話だ」 クックッと喉を鳴らし、嘲笑するハイネ。 パフは牙を剥き出して唸った。 「ジャッキーは友達だ。それは偽りようのない、真実なんだ」 「ジャッキーだか誰だか知らないが、人間は俺たちドラゴンより早く大人になる。ドラゴンの存在なんて信じなくなるのさ」 「それは違う!」 「違う? 何が違うんだ、パフ」 ふっと、ハイネがパフの鼻先に炎を吹き掛ける。 「人間は、年を取るごとに臆病になっていく。昔はただ無邪気に遊んでいられたドラゴンに、恐怖すら感じるようになるんだ。違うか? パフ」
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