俺の彼女がイケメン過ぎる。

わがまま彼女。

　このやりとりがしばらく続き､本当にバイクで行かなければ間に合わない時間になってしまった。これも優の作戦のうちだ。

「仕方ねえな…。行くぞ優。」
「よし、勝った。」

　そう言って優はガッツポーズをした。何が勝っただバカヤロウ。ガソリン代俺持ちなんだぞ。溜め息を吐いて俺はフルフェイスを被ったままでるんるん気分な優と一緒に部屋を出た。

　バイクで学校の近くまで行き、知り合いの店の関係者専用駐車場で留めて残りは歩いて行く。

　うちの高校は本来バイクはおろか、原付まで免許を取るのを禁じているのだ。俺愛用の『Ninja』のサスケちゃんはもちろん問題外。バレたら問答無用即停学。

　あ、言っておくけれど俺はけっして不良ではありませんよ。ただ純粋にバイクが好きなだけ。ちゃんと１６歳の時50ccから始めましたから。

　煙草吸わないし酒も飲まない。

　未成年だしね。

　朝帰りもしないというか、寝るの大好きな俺はそこまで起きていられない。

　フルフェイスを外して中にしまい、サスケちゃんを後にして学校へ向かう。