すき

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「てめェにやる愛なんざ微塵もねェよ」 そう言って頭を踏まれた。 ぐりぐりとゴミを見るような目で見ながら 「ちょ、やめ、いたいいたいっ」 漸く呼吸の仕方を思い出した脳は 頭に乗った男の足を退けるべく おれへと命令する 手で地面を叩いてギブギブと言ってみる 「あァ?こうされるの好きなくせによォ」 ふん、と鼻で笑って 更に体重を掛けられた ――いや、すきだけど!すきだけども!―― 「まじいたい、脳ミソはれつしそう…っっ」 「チッ、そのまま破裂して散れ」 舌打ちしながらも足は退けてくれた 上半身を起こして 頭をぶんぶんと振り埃を落とす 男はイライラしてるのか額に青筋が立ってる
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