第一章

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「と、とと友達待ってるんで!」 そう言って腕をふりほどこうにも力が勝てない。それにさっきより強く握られてるのかもしれない。痛い。 「じゃあ、行こうか」 「行きません!」 行ったら最後逝かされちまうよ! 麻紀ぃいい!! 早く助けてよ! 誘拐!これ完全誘拐だから! 「助けてぇええ!」 「チッうるせぇなぁ。おい、口ふさげ。車まわしてくるから。とっとと車連れ込むぞ。」 チンピラBに口をふさがれ担がれる。 う…そ… 暴れるけどチンピラBには全く効かない。 「おい、コレ。」 車から出てきたチンピラAが布みたいなものをBに渡しBが私の口にそれを押し付けた。 「ふぬっ!」 思いっきり吸い込んでしまい途端に意識が朦朧とする。 「やっと大人しくなったぜ。」 ニヤニヤ顔を見合わせるやつらの顔が歪む。 誰でもいいから助けてよ。 「…ねぇ、その子どこ連れて行くの?」 最後にそんな救世主の声を聞いたような… あたしのただの願望の幻聴なのか…
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