第一章

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夢を見た。 鮮明なような 曖昧なような 白い空間に白い蛇 蛇…? へびぃいいい!! 「うわぁ!」 その白い蛇はだんだんこっちに近づいてくる。 あたしは、冷や汗がだらだら垂れて命の危険を感じた。 だって近くにくれば来るほどその白蛇は通常じゃかんがえられないくらいの大きさである。 でも、あたしは正しく「蛇に睨まれた蛙」一歩も動けない。 どうしよう… 目の前に現れた白い大蛇。 あたしよりずっとずっと大きい。 怯えている私に目の前の大蛇は私を食べると言うより困惑しているようだ。 「私が怖いか?」 そう蛇が喋った。 喋ったというより、あたしの脳内にしゃべりかけた。だから耳から入った声というより声にならない声が脳内に響いたと言う感じ。 怖いか怖くないかで言ったらめっさ恐ろしい だけど、思いの外優しいその声に自然と怖さは和らいだ。 「そうか…お前は素直なんだな。お人好しで疑うことを知らない。」 そうなのかもな。と思った。 「お前はそれでいいよ。」 そう言って白い大蛇は微笑んだ気がした。
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