-第1章-

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    憂架 「…転校初日なのに雨。帰る頃には止むと良いけど。」     私の転校先になるここ、 桜海ヶ丘高等学校(サクラウミガオカ) 大都市から遠く離れた小さな田舎街、自然に囲まれながらも広大な海が広がり街全体を見渡せる丘には春になれば桜が咲き乱れるとても自然豊かな桜海ヶ丘。 街の名に因んで名付けられた学校は全校生徒200名弱しかいないこれまた小さな高校。 喉かで自然豊かで…私は大都市にある大きな高校に通っていたからか凄く新鮮な気分。校門前にたたずみ清々しい気持ちで学校を見上げるもそれも直ぐに憂鬱に。6月に相応しい天気が原因である。転校初日に雨だなんて気が滅入ってしまう。ただでさえ初めての転校、初めての独り暮らしと様々な"初めて"のせいで不安や楽しみ、緊張が入り交じり心臓はドキドキと音を立てている。     一つ深呼吸をして気持ちを落ち着かせては職員室を目指す為、校舎内へと止まっていた足をぎこちなく動かし始める。           _
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