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憂架
「──失礼します…。」
職員玄関から校内へと足を踏み入れ職員室の前扉を軽くノック響かせては開き担任教師を捜すべく見渡して。然し、当然ながら初対面な訳でかろうじて名が分かる程度後の事は把握しておらず、困った様子でその場に立ち尽くしている他無く。
「あー…可愛い子猫ちゃん発見。説明と教室まで案内するからこっちにおいで。」
声のする方へと顔を上げれば職業は俳優とでも納得する程の顔立ちが整った一人の男性教師が笑顔を浮かべながらこちらに手招きしており。ドキリと胸高鳴らせるも何処か濁りを帯びた眸に冷たさを感じ若干顔を強ばらせて教師へと歩みを向け。
柚季
「ん?緊張でもしてるのかな?俺は佐古下柚季、憂架ちゃんの担任教師ね宜しく。」
憂架
「え…?あ、こちらこそ宜しくお願いします。」
スッと差し出された右手に戸惑い見せるのは生徒を名で呼ぶ教師としてしからぬ態度を見せるからであり。あぁ、この先生は女の子が大好きなんだろうと思ったのが先生の第一印象かもしれない。
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