第1章 崩れ去った『日常』

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他の連中の配属も決まったらしい。 「この3隊には交代でスクランブル配置についてもらう!先ずはイーグル隊、君たちがレッドアラート、ホーク隊がイエローアラートだ。頼むぞ」 司令官が格納庫を離れると加山一尉と大神二尉が近付いてきた。 「よし、先ずお前らにコールサインをやる。綾瀬はイーグル3、北村はイーグル4だ」 イーグル3……3番機か。 「それからTACネームが要るな……TACネームってわかるか?」 TACネーム……主に編隊内で使われる符丁だ。 「わかります」 「そうか、じゃあお前らで好きなのを勝手につけろ」 俺はしばらく悩み、1つの符丁に絞り込んだ。 「俺はヴァイパーです」 深い意味は無い。 音的に良かっただけだ。 「じゃあ俺はシャムロックで……」 「お前はガルーダ2か?」 聡のTACネームに突っ込んだ。 「ガルーダ隊にあやかろうと思ってよ」 「お前らエースコンバットやるのか?」 意外に大神二尉が食い付いてきた。 「二尉もですか?」 「こいつは空自でも有数のゲーマーだからな」 加山一尉がそう言った。 自衛隊ってゲームやって良いんだ…… 「あっ、そうだ!お前らこれだけは覚えとけ、空に上がったときの交戦規定はただ1つだ……生き残れ。これだけは何があっても忘れるな」 交戦規定はただ1つ、生き残れ、か…… ブゥー!ブゥー! 「綾瀬!北村!スクランブルだ!走れ!」
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