第1章 崩れ去った『日常』

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俺は携帯を切って、ポケットにしまった。 ウゥー!ウゥー! げっ! パトカーかよ……携帯使ってんのが見っかっちまったか? 『こちらは茨城県警・交通機動隊です。現在、茨城県全域に国民保護法が発令されています。速やかに我々の指示に従って下さい』 国民保護法の発令か……あのアホ知事もたまにはまともなことするんだな…… 『走行中の車両は速やかに停車させてください』 俺は県警の指示に従い車を路肩に停車させた。 『これより最寄りの避難場所へ誘導します。みなさん慌てずに警察官の誘導に従って下さい』 プルルルルッ!プルルルルッ! 「今度は誰だよ……ハァ、また聡か……もしもし?今度は何だ?」 『いや、アホ知事が国民保護法を要請したって聞いたからよ』 要請って言うか、おもいっきり執行してんだけど…… 「要請どころか目の前で正に執行してるよ……」 『マジか!?』 「嘘ついてどうするよ……まぁ、そろそろそっちでも始まるだろうよ」 電話口の向こうで聡の声の他にパトカーのサイレン音が聞こえた。 『あー、こっちでも始まったわ』 「だろ?そんじゃ……待った!」 周りを良く見ると県警の動きがあわただしくなっている。 「いや、なんか県警の動きがなんかあわただしい気がしてな……」
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