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俺は携帯を切って、ポケットにしまった。
ウゥー!ウゥー!
げっ!
パトカーかよ……携帯使ってんのが見っかっちまったか?
『こちらは茨城県警・交通機動隊です。現在、茨城県全域に国民保護法が発令されています。速やかに我々の指示に従って下さい』
国民保護法の発令か……あのアホ知事もたまにはまともなことするんだな……
『走行中の車両は速やかに停車させてください』
俺は県警の指示に従い車を路肩に停車させた。
『これより最寄りの避難場所へ誘導します。みなさん慌てずに警察官の誘導に従って下さい』
プルルルルッ!プルルルルッ!
「今度は誰だよ……ハァ、また聡か……もしもし?今度は何だ?」
『いや、アホ知事が国民保護法を要請したって聞いたからよ』
要請って言うか、おもいっきり執行してんだけど……
「要請どころか目の前で正に執行してるよ……」
『マジか!?』
「嘘ついてどうするよ……まぁ、そろそろそっちでも始まるだろうよ」
電話口の向こうで聡の声の他にパトカーのサイレン音が聞こえた。
『あー、こっちでも始まったわ』
「だろ?そんじゃ……待った!」
周りを良く見ると県警の動きがあわただしくなっている。
「いや、なんか県警の動きがなんかあわただしい気がしてな……」
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