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ハァ……
まったく、県警も国民も全然備えてなかった感が丸出しだな……
キィィィーーン!
キィィィーーン!
百里からスクランブルしたファントムか?
頼むぜ……
避難場所。
午後2時
街から少し離れたところにある公園が避難場所になっていた。
俺はさっきから聡に電話をかけているが携帯に繋がらない。
どうしちまったんだよ……ま、まさか、な……
「おい、聞いたかよ?」
「なんだ?」
すぐそばにいたおっさんが別の男に声をかけていた。
「土浦の避難場所が被害にあったらしいぞ」
「おい、おっさん!!それ本当か!?」
俺は思わずおっさんの胸ぐらを掴んでいた。
「あ、ああ、さっき警察無線で話してるのを聞いちまってよ」
そ、そんな……
俺は車のもとに走った。
車にたどり着いた俺はエンジンをかけて土浦に急いだ。
「ひ、ひでぇ……」
周囲には焼け焦げた臭いが立ち込め、死傷者が溢れていた。
「親父ーーっ!!お袋ーーっ!!聡ーーっ!!」
俺は瓦礫の山の中を叫びながら進んで行った。
しばらく進んでいると瓦礫から手が飛び出しているのを見つけた。
「お、おい!大丈夫か!?いま助けてやるから待ってろよ!」
俺は駆け寄って、周りの瓦礫をどかしていった。
しかし……
「うっ……」
そこには肩から先がない腕が露になった。
「うっ、オェェェッ」
思わず胃の内容物を吐き出してしまった。
「ゴホッ!ゴホッ!……ハァハァ……」
「昴!」
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