プロローグ

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「皆だってどこいっちゃったの……。 零も龍司も………!?」 寂しさのあまり友達の名前を呟いた夏美はハッとした。 今自分が独りぼっちだという事実。 ようやく自分が勝手に逃げてきたことを理解したが時すでに遅し。 恐怖にかわり不安と後悔が内から込み上げてくる。 「アタシ、何やってるんだろ。 龍司だって怪我してるのに……戻ろう。」 涙を拭き、岩から降りた。 帰ろうと決心したものの、自分がどちらの方角から来たのすら覚えていなかった。 だがじっとしていても怖いだけ。 ここから逃げ出すように歩き出した。
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