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僕の名前は戸羽高志という。
体格は平均ぐらいで、運動が全然できない、ありふれた普通の高校1年の男子だ。
そんな僕にはある悩みがある。
それは、他人がまったく信じられないというものだ。
それは僕が小学生の時に起きたある事件がきっかけだった。
それでも、この夏川高校に入ったら、つまり高校生になったら自分は変われるかもしれないと思っていた。
しかしそれは幻想に過ぎなかった。
入学してもクラスメートに話しかけることはできなかった。
何故僕は変われなかったのか?
それは簡単だ。
原因は自分にあって、周りの環境は関係ないのだから。
だから僕は中学の時のように他人と極力関わらないようにした。
あの日までは。
あの日の放課後、僕は学校の東校舎にいた。
そこにいたのは僕はその日、図書室で調べることがあったからだ。
しかし初めて行くので、階数を間違えてしまった。
それに気付いたのは、一番奥まで進んでからだった。
僕は引き返そうとするとある立て看板が目に入った。
そこには『ここは相談部!!どんな悩みでも相談にのります』と書いてあった。
それをみた途端、体が自然と動いて、無意識のうちにその部屋に入っていた。
その部屋には机を挟んで椅子が向かい合っていて、奥の椅子に女子生徒が座っていて、本を読んでいた。
彼女は僕に気付くと本を閉じ、笑顔で、「こんにちは、私は2年E組で相談部部長の朝川咲です、何でも打ち明けてね」と言った。
それが僕と朝川先輩との出会いだった。
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