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「見苦しいところ見せてごめんなさいね」と朝川先輩が謝った。
「何で謝るのですか、僕のせいじゃないですか!」
「いいえ、私が悪いのよ、嫌がっていたのに無理矢理引き留めようとしたから」
朝川先輩がシュンとなる。
それをみて僕は顔が赤くなった。
か、可愛い。僕は「せめて落ちたものを片付けます」と言った。
「ありがとう、助かるわ」朝川先輩がにこっとした。
またあの笑顔だ。
僕はドキドキした。
僕は顔が赤くなっているのを隠すように落ちてる本を拾った。
ん?なんかこの本古そうだぞ?
その本の発行日を見るとそこには30年前の年号が書かれていた。
「この本ずいぶん古いんですね」
「ええ、相談部が出来た時からあったのよ」
「えっ、相談部ってそんな昔からあったのですか?」僕は驚きのあまり聞いてしまった。
「ええ、そうよ。今年で30周年よ」
ええっ!朝川先輩には悪いけど、こんな部活がよく30年も続いたなと思った。
「でも、最初に作った人達が卒業したら、部員がいなくなったけど、何故か廃部にならなかったのよね」
それって続いているって言うのかと思ったがあえて言わないことにした。
「それで私達が建て直したの」
そう朝川先輩が言うと僕はひとつ疑問に思った。
「私達?」
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