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僕がそう言うと突然扉が開いた。
そこにはショートカットの美人が立っていた。
その人は僕に気付くと睨んできた。
「おかえり、凪」
「ただいま、咲。それでこの咲のこと口説いているこいつは何?」
と強い口調で言った。
「口説いてなんかいません!僕は相談を受けにきただけです」
そう言った後僕はしまったと思った。
相談を受けにきたって自分で言っちゃったよ。
「ふーん、でどんな悩みだったの、咲?」
「いや、まだ聞いてないの」
どうしよう、言わなきゃいけない雰囲気になってしまったようだ。
「で、何?」
凪先輩が強い口調で言う。
凪先輩、怖くて言えないよ。
朝川先輩だったら言えただろうに。
こんなことなら言っておけば良かったと後悔した。
「そういえば名前聞いてなかったわね」
呆然としていた僕に朝川先輩は聞いてきた。
「えっと」僕が自己紹介しようとすると凪先輩が話し始めた。
「戸羽高志、1年D組16番よ」と言った。
何で知ってるんだ?怖すぎるよ、凪先輩。
「じゃあ高志君」と朝川先輩が僕を呼んだ。
朝川先輩が僕を下の名前で呼んでる!と感動して凪先輩の怖さを忘れていた。
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