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「あぁ、ごめんなさい」
朝川先輩が慌てて僕から離れる。
「凪のこと許してくれてありがとうね」そういうと何かを思い付いたかのようにハッとなっていた。
「私の携帯のアドレス教えておくね」
「ええっ、い、いいんですか?」
僕は驚いた。まだ今日会ったばかりなのに。
「ええ、もちろんよ。相談に乗るし、勉強の質問だって構わないわよ」
勉強って聞いたとき何かが引っ掛かった。
あっ、調べるの忘れてた。
僕が呆然となっていたら、朝川先輩が「どうしたの」と聞いてきた。
「いや、あの調べるの忘れてたんです、でも大丈夫です。明日休みなんで図書館に行って調べますので」
そういうと、「分かったわ、じゃあ私も一緒に行くわ。」と言った。
「別に一人で大丈夫ですよ、学校の図書室でできる程度なので」
「手伝えば、早く終わるでしょう。そうしたら一緒にどこか遊びにいくの、それで高志君の悩みを打ち明けさせるわ」
「それって無理矢理じゃないですか」
さっさと言っていることが違う。無理矢理聞いてごめんなさいって言っていたのに。
「いいえ、無理矢理じゃないわ。仲良くなれば打ち明けやすいじゃない?だから一緒に行くわよ」
どうやら僕には拒否権がないようだ。でも朝川先輩と過ごせるならいい。
「分かりました」
「じゃあ、詳しい時間とかはメールするね!」
朝川先輩が満面の笑みで言った。
こうして僕の明日の予定が決まった。
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