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回避
「アーウィン!何してるの!?」
そっと身を起こし、にいちゃんはレナの元に歩み寄った。
俺は解放された。
だけど心臓はバクバクいっていた。
「ちょっと口論になっただけですよ。」
「口論?」
「えぇ、どっちがレナの世話をするかについて話していただけです。」
「そうなの?」
ヒョコっとねぇちゃんは俺を見やった。
俺は少し焦りながらも話を合わせた。
「あ、あぁ。そうなんだ。」
ねぇちゃんがちょっと怪訝な顔をしたから俺はドキッとした。
「もぅ。アーウィン、暴力は駄目だよ。」
「解っていますよ。」
「フレディ、大丈夫?」
「だ、大丈夫!何とも無いよ!!」
俺は不自然だった。
でも抜けているねぇちゃんには何も疑われなかった。
心臓は相変わらずバクバクいっている。
「レナ、行きましょう。」
「うん。じゃあ、フレディ、おやすみなさい。」
「……。」
二人の足音が遠ざかる。
助かった…。
何だったんだ?
俺、何されたんだ…?
こうして恐ろしい悪夢は去った。
終わり。
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