回避

1/1
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

回避

「アーウィン!何してるの!?」 そっと身を起こし、にいちゃんはレナの元に歩み寄った。 俺は解放された。 だけど心臓はバクバクいっていた。 「ちょっと口論になっただけですよ。」 「口論?」 「えぇ、どっちがレナの世話をするかについて話していただけです。」 「そうなの?」 ヒョコっとねぇちゃんは俺を見やった。 俺は少し焦りながらも話を合わせた。 「あ、あぁ。そうなんだ。」 ねぇちゃんがちょっと怪訝な顔をしたから俺はドキッとした。 「もぅ。アーウィン、暴力は駄目だよ。」 「解っていますよ。」 「フレディ、大丈夫?」 「だ、大丈夫!何とも無いよ!!」 俺は不自然だった。 でも抜けているねぇちゃんには何も疑われなかった。 心臓は相変わらずバクバクいっている。 「レナ、行きましょう。」 「うん。じゃあ、フレディ、おやすみなさい。」 「……。」 二人の足音が遠ざかる。 助かった…。 何だったんだ? 俺、何されたんだ…? こうして恐ろしい悪夢は去った。 終わり。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!