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シルヴァ総長の覇断も、サムライの血を引く一族に作ってもらったものらしい。
普通の剣じゃ傷を付けることすら叶わない魔物達を容易く斬り伏せる『魔刀』。
そのサムライが、俺と同じ『黒い髪』を持っているらしいのだ。
俺は親の顔を知らない。幼い頃『外の世界』をさ迷い、死にかけていたところをシルヴァ総長に救われ、育てられた。
俺にはそれ以前の記憶がない。だから俺と似た特徴を持つサムライが俺の親なのではないかと、サムライに憧れのような感情を抱いている。
「フフ…お前には特に嬉しいことかも知れんなぁ」
「え?…」
「『ジャパル』への移転の見通しが立った。3ヶ月後に、移転だ」
!!!
「ほ、ホントか!!…あ、いや…本当ですか?」
「ははは!今更敬語など使う必要なんてないだろう」
俺を震えるような高揚感が満たす。
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