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母「いいえ・・・あなた達は今すぐ裏口から逃げなさい!」
サング「でも母ちゃんっ!今逃げなかったら・・・」
母「いいから逃げなさいっ!ムロと一緒に逃げるのっ!」
サング「でも母ちゃん!俺っ・・・」
そこまで言ったサングを母は優しく抱き締めた。
母「あなた達は生きなければならないの。あなたの未来は守らなきゃ。いい。裏口から逃げなさいそして兵士達が帰った後にここの家の地下に行きなさい。いいわね?」
サング「・・・・・・」
ムロ「なんの騒ぎなんだ?」
母「兵士が村を襲ってるらしいの・・・あなた達は裏口から逃げなさい。」
ムロ「お袋・・・」
父「母さんもう目の前に兵士がいるぞ!」
いつ着替えたのかわからないが全身武装した親父が後ろから叫んだ。
いつもの怠けた声はなく緊迫した叫びが家中に響いた。
ムロ「親父・・・俺も戦う!」
バキッ!
痛い・・・
久々に喰らった親父の拳・・・痛くてたまらないが痛さだけでなく何か違う物まで感じた。
父「お前を殴ったのはお前を信じてるからだ。サングはまだ若い。お前がしっかり面倒を見るんだ。わかったな?」
ムロ「親父・・・・・・わかった。」
俺は無意識のうちにサングの手をとり裏口から走って逃げた。
チクショウ・・・
俺はナニモデキナイノカ。
コォーン・・・
何故か自分の声が掠れた感じがした。
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