61人が本棚に入れています
本棚に追加
いきなり血相を変えて、俺に抱きつかんばかりの勢いで迫っていくスコメン。
しどろもどろになりながらも、俺は気づいたら本名を名乗っていた。
「――――! ……ジョブ変更。お前は今から俺の奴隷な」
「……は? いやいや訳わかんねえって!」
「何ならメイドでもいいが?」
「…………」
「で、名前も変えろ。こっちはお前の好きなようにしていいから」
俺が押し黙ると、勝手に話を進めていこうとするスコメン。
呆気にとられる俺に、スコメンはこう言い放った。
「明日にでも出発するぞ。荷物とか……は、なさそうだな」
展開が早すぎて着いていけませんです、はい。
俺、数時間前まではこの村に居着くかどうか迷ってたよな。それが何だと? 奴隷かメイドだと?
「か……」
「ん、どうした」
俺のことになど興味がないのか、無表情で……いや、さっきの焦りようからしてそれはないか。それはともかく、俺は言葉を紡ぐ。
「確っ実にメイドの方がマシだろ!」
スコメンは少し考える素振りを見せると、すぐにこちらへ視線を向けた。
「……いいだろう、ならお前は今から俺のメイドだ」
言ってすぐに俺の方へ向かってくるスコメン。野郎、俺のメイドという立場をいいことに嫌らしいことをするつもりか?
……と思ったら、スコメンは普通に素通りして扉を開ける。
「そう身構えるな。メイド服の調達に行くだけだ」
コスプレしてないと催さない変態だったのか……!
最初のコメントを投稿しよう!