マクの村~ここを生活の拠点にするか否か~

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 いきなり血相を変えて、俺に抱きつかんばかりの勢いで迫っていくスコメン。  しどろもどろになりながらも、俺は気づいたら本名を名乗っていた。 「――――! ……ジョブ変更。お前は今から俺の奴隷な」 「……は? いやいや訳わかんねえって!」 「何ならメイドでもいいが?」 「…………」 「で、名前も変えろ。こっちはお前の好きなようにしていいから」  俺が押し黙ると、勝手に話を進めていこうとするスコメン。  呆気にとられる俺に、スコメンはこう言い放った。 「明日にでも出発するぞ。荷物とか……は、なさそうだな」  展開が早すぎて着いていけませんです、はい。  俺、数時間前まではこの村に居着くかどうか迷ってたよな。それが何だと? 奴隷かメイドだと? 「か……」 「ん、どうした」  俺のことになど興味がないのか、無表情で……いや、さっきの焦りようからしてそれはないか。それはともかく、俺は言葉を紡ぐ。 「確っ実にメイドの方がマシだろ!」  スコメンは少し考える素振りを見せると、すぐにこちらへ視線を向けた。 「……いいだろう、ならお前は今から俺のメイドだ」  言ってすぐに俺の方へ向かってくるスコメン。野郎、俺のメイドという立場をいいことに嫌らしいことをするつもりか?  ……と思ったら、スコメンは普通に素通りして扉を開ける。 「そう身構えるな。メイド服の調達に行くだけだ」  コスプレしてないと催さない変態だったのか……!
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