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「なら貴方は普段、何をして過ごされているのですか」
「基本は旅ですかね。では逆にお尋ねしますが、何故面接のような雰囲気になったのですか」
「口答えするな! こちらの質問にだけ答えろォっ!」
「そんな理不尽な!?」
コントを終えて、とりあえず目に入った試着室へと入る俺。ノックは二回。紳士だからな。
上着に手を掛けて、そのまま上方向へと滑らせる。
「服持っていけよ」
「脱いでから言うなよ」
「そんな理不尽な!?」
ははっ、冗談だって。外から投げ入れてくれ。
「世話のかかる奴め。人の苦労を思い知れよ」
「もしもーし? 会話が噛み合ってないと思いまーす」
そう言いながらも、俺が心で念じた通りに外からすっと差し入れるご主人様。
俺は外界から伸びてきたその少し大きめの手のひらを、自身の貧相な胸にあてがう。このまま叫んでやろうかな。
すると予想に反し、手の位置はそのままで指をワキワキと動かす変態。
俺はサッと一歩後ろに下がって、「キャー!」と女の子らしい悲鳴をあげた。
少しトーンが高くて無理かなと思ったけど、やってみたら意外と簡単だった。
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