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「すいませんすいません! ホントは性奴隷だなんて思ってないですから!」
「そうか」
もはや涙目になっている俺。ご主人様は、力の入らない俺を支えていた腕をそっと下ろした。
良かった、助かっ――
「なら折檻だな」
俺が立ち上がれないのをいいことにゆっくりと覆いかぶさってくる。
ちょま、折檻って何すんの!?
……いや、よく考えろ。ご主人様はウブ、いやウヴだ。折檻って言ったって、どうせお尻ペンペンとかそんな幼稚なことしか考えてないに違いない。
ふふっ、可愛い奴よのう。
「おら、咥えろ」
そんな俺の希望的観測を無惨にも木っ端微塵に打ち砕くご主人様の声。
俺もBL好きだけど、どうせやられるならもうちょっと腐った人間が喜ぶようなシチュが良かったなあ……甘々の。
「着いたよ、お二人さ……」
俺の前にある垂れ下がった布から、寿司屋の店主をやってそうな粋なおじさんがニュッと顔を出した。いや、今やってることは全然粋じゃないけど。
おじさんの顔が固まる。ご主人様はハッと正気を取り戻したようで、代金らしき物を数枚渡すと俺を担いでラクダ者から飛び出した。
それはそれは流麗で美しい動作だったが……ご主人様、ズボンずれたまんまです。むしろ何でその状態であんな綺麗な動きできたんですか。
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